イッツ・ア・マンカー

今日は寝てないので「イッツ・ア・マンカー」という谷隼人谷亮子よりもそれはすごいスピードで繰り出した投げのような、はたまた中山秀征ことHxIxDxEちゃんは「おじゃマンボウ」の司会が一番キラキラしているというような語り口や、なぜか人っ子一人いない道端でアクセサリーを売る国籍不明な外国人が語るエンペラー吉田のような小噺や、毒気づいた女子高生がホントはウチに帰れば自分の机の引き出しでハムスターを飼っているアグレッシヴさや、今にも泣き出しそうなぐらい赤い太陽を背に長く伸びた影を追いかけるスティーヴ・マックイーン似の雑種犬や、ハラハラと海の中にまるで血液のようなゆるやかさで吸い込まれてゆく森永アイスモナカの皮のカスたちや、イグレックをうまく発音できないフランス人を笑うアメリカ人は実はこの世の者ではなかったという驚きや、やくみつるの集めたものはすべて葉っぱだったというオチにもならないトリノ五輪や、小6から買い続けていたジャンプで24になって初めてベッドを作って涙を流して喜んだあの夜や、今こうして黙ってキーボードを叩くわたしの目になにかが光った美しさや、ちょっと気取った夜はデニーズではなくロイヤルホストに誘う中学生カップルのいじらしさや、書道の半紙のビニール袋の内側をマジックペンで塗りたくり臭いを嗅いでたヤンキーや、中国奥地でひっそり生きているあの黒白のぬめっとした哺乳類的超存在や、「イッツ・ア・マンカー」がなんなのか全く分からないこのわたしのシナプスひとつひとつに宿る中上健次作品のような情念がひとつひとつゆっくりとこの地球の上にやさしく重なり合いながら生きているのだなぁ。